『ジュラシック・パーク』シリーズの魅力は遺伝子工学によって時代を超えた恐竜が一堂に会する点にありますが、地球の歴史上、この2頭が自然界で相まみえることは絶対にあり得ませんでした。生息年代と地理的環境に決定的な隔たりが存在したためです。
スピノサウルスが生息していたのは、中生代白亜紀前期から中期(約1億年前〜9400万年前)の北アフリカ地域(現在のエジプトやモロッコ周辺)でした。広大な湿地帯や河川が広がる温暖湿潤な熱帯環境で暮らしていました。
対するティラノサウルスが生息していたのは、それよりはるか後の時代である白亜紀最末期(約6800万年前〜6600万年前)の北米大陸です。両者の間には約3000万年近いタイムラグと、大陸を隔てた空間的な断絶がありました。映画で描かれた戦いは、まさにバイオテクノロジーの暴走が生み出した「究極の異種格闘技戦」だったわけです。