街で見かける頻度が突出して高い2つのシリーズがある。「サウンドボックス」と「キュリオ」だ。この2頭立ての馬車が、ブランドの評価を決定的なものにした。
レコード盤の同心円から着想を得たサウンドボックスは、グルーヴが生み出すデザイン性だけでなく、衝撃を受けた際にシェル全体で力を逃がす力学的な合理性を併せ持つ。エキスパンダブル(容量拡張)機能を広げれば、旅先で増えた土産物を飲み込む懐の深さを見せる。
一方のキュリオは、どこかレトロでありながらフューチャリスティックな水平リブが特徴的だ。ミニマルな美学を好む旅行者の心を掴み、SNSのタイムラインを埋め尽くした。どちらのモデルも、ただ荷物を運ぶ箱ではない。旅の気分を高揚させるファッションピースとして成立している点が、従来の無骨なラゲージとの決定的な分水嶺となっている。