クイックスタートは多くのデータを丸ごとコピーしますが、セキュリティや決済に関わる重要アプリには個別のアクションが必須です。これを怠ると、最悪の場合アカウントへのアクセス権を失うリスクがあります。
代表格がLINE引き継ぎを伴うiPhoneデータ移行です。新端末へ移行する前に、旧端末のLINEアプリ内で「アカウント情報(電話番号・メールアドレス・パスワード)」が最新か確認し、必ず「トークのバックアップ」を実行しておきます。特にバックアップ用の6桁のPINコードを設定しておくことで、異なるOS間や万一の通信エラー時でも直近14日間のトーク履歴が確実に保護されます。
次に注意が必要なのがiPhoneデータ移行時のSuica引き継ぎです。Apple Payに登録されたSuicaやPASMO、ICOCAなどの交通系ICカードは、複数の端末で同時に同一カードをアクティブにできません。旧iPhoneの「ウォレット」アプリから該当カードをいったん「削除(サーバーに退避)」させてから、新iPhoneのウォレットアプリで「以前利用したカード」として再追加する必要があります。旧端末を手放した後にこの手順を忘れていたことに気づくと、カード会社への問い合わせなど復旧に多大な時間を要します。
さらに近年トラブルが急増しているのがiPhoneデータ移行に伴うeSIM再発行の手続きです。iOS標準の「eSIMクイック転送」に対応している通信キャリアであれば、クイックスタートの画面上で数タップで移行が完了します。しかし、格安SIM(MVNO)や一部のプランでは、旧端末からプロファイルを削除する前にマイページからeSIM再発行手続きを行わなければならず、手順を誤ると新旧双方でモバイル通信が遮断される「不通状態」に陥るため、契約キャリアの指定手順を事前に把握しておくことが不可欠です。