店頭やメニュー表に躍る「無添加」という文字を目にすると、多くの人が「一切の化学合成物質や添加物が使われていない完璧な食事」を思い浮かべます。しかし、ここに外食業界最大の盲点が存在します。
加工食品のパッケージ表示には食品表示法による厳格なルールが定められている一方、飲食店が提供する料理には法的な一括表示義務が課されていません。つまり、現状の無添加飲食店の基準は各店舗の自主判断に委ねられている部分が大きいのです。例えば「化学調味料(うま味調味料)不使用」というだけで無添加を名乗るケースや、保存料や着色料のみを排除して他の合成添加物を使用しているケースも珍しくありません。
さらに見落とされがちなのが、調理に使用する醤油、味噌、みりん、ドレッシングなどの仕入れ品に含まれる「キャリーオーバー(加工段階で持ち込まれる添加物)」です。店内で添加物を加えていなくても、市販の合わせ調味料に保存料や甘味料が入っていれば、厳密な意味での無添加とは呼べません。消費者が真に納得できる食品添加物不使用の見分け方としては、「何が無添加なのか(化学調味料・保存料・合成着色料など具体的な対象)」を明記しているか、そして「基本調味料まで自家製または伝統製法の本醸造品を使っているか」をチェックすることが極めて有効です。