大人になった遠野なぎこさんは、自己の命と尊厳を守るため、母親との完全な絶縁を選択しました。電話番号を変更し、居場所を秘匿することで物理的・精神的な接点を断絶。これは「親不孝」という世俗的な批判を覚悟した上での、生き残るための防衛措置でした。
しかし、絶縁から年月を経た2026年頃、母親は自死(自殺)という形でこの世を去りました。警察からの突然の連絡で母の死を知らされた遠野さんは、激しい精神的ショックと混乱に見舞われました。
公式インタビューや『週刊文春』等で語られた母の死に対する心境は、決して単純な「悲しみ」や「安堵」ではありませんでした。「憎んでいたけれど、同時にたった一人の母親でもあった」というアンビバレント(両価的)な感情が渦巻き、罪悪感と解放感、そして消えない怒りが複雑に交錯したと語っています。死によってすら過去の呪縛が完全に消滅するわけではないという現実は、多くのトラウマサバイバーに深い共感を呼びました。