二人の関係性において最大のターニングポイントとなったのが、舞台『Le Fils 息子』での親子初共演だ。劇中で実際に父と息子を演じるという挑戦は、観客のみならず演劇関係者の間でも大きな話題を呼んだ。心に痛みを抱える若者と、その息子に向き合おうと苦悩する父親の葛藤を描いた濃厚なヒューマンドラマだ。
舞台劇の稽古場では、親子という甘えは一切排除された。厳しい演出家のもと、泥臭く役に向き合う息子に対し、健一は一人の先輩役者として静かに見守り、時に鋭い言葉を投げかけたという。本番で見せた緊迫感あふれる掛け合いは、長年の絆と役者同士の魂のぶつかり合いが生み出した奇跡の瞬間だった。