身体的な後遺症に加え、冨田さんを苦しめ続けているのがPTSD(心的外傷後ストレス障害)をはじめとする深い精神的トラウマです。裁判やその後に公表された手記には、突如として日常を奪われた絶望と葛藤が生々しく綴られています。
「犯人の顔や刃物が頭から離れない」「人の気配や物音に激しい恐怖を感じる」といったフラッシュバックに襲われ、事件から時間が経過しても夜間に十分な睡眠を取ることができない状態が続きました。鏡を見るたびに視界に入る顔や首の傷跡は、凄惨な記憶を容赦なく呼び覚まします。
手記の中で冨田さんは、「以前の自分にはもう二度と戻れない」という悲痛な思いを吐露しつつも、理不尽な暴力によって夢や未来を一方的に踏みにじられたことに対する強い悔しさと憤りを訴え、多くの人々の心を揺さぶりました。