米倉涼子の心を射止めたのは、アルゼンチン出身の情熱的なタンゴダンサー、ゴンサロ・クエッジョ氏だ。都内の有名タンゴ教室で講師を務め、世界大会の審査員も歴任するトップクラスの表現者である。二人の出会いは、米倉が舞台表現の幅を広げるために始めたタンゴのレッスンだった。ステップを踏むたびに交わされる視線と呼吸。妥協を許さないプロフェッショナル同士の共鳴が、瞬く間に恋愛感情へと昇華していった。
最初の熱愛報道が世を賑わせて以来、二人の関係は常にオープンかつ堂々としたものだった。東京とブエノスアイレスという遠距離をものともせず、ゴンサロ氏は米倉の多忙なスケジュールの合間を縫って来日を重ねた。飾らない笑顔で寄り添い歩く二人の姿は、どこか異国の映画のワンシーンのような気品を漂わせていた。