実際の試験問題でどれほどの威力を持つのか、具体的な例題で確認してみましょう。
【例題】円に内接する四角形ABCDにおいて、$AB=1, BC=2, CD=4, DA=3$ のときの面積 $S$ を求めよ。
通常の解法であれば、対角線BDを引き、余弦定理を2回立てて $\cos B$ を求め、$\sin B$ を算出し、2つの三角形の面積を求めて合算します。手際よく解いても2〜3分は費やす計算量です。
一方、ブラーマグプタの公式を使った解法は以下の通りです。
- まず半周の長さ $s$ を計算:$s = \frac{1+2+4+3}{2} = \frac{10}{2} = 5$
- 各辺を $s$ から引く:
- $s-a = 5-1 = 4$
- $s-b = 5-2 = 3$
- $s-c = 5-4 = 1$
- $s-d = 5-3 = 2$
- 掛け合わせてルートをつける:$S = \sqrt{4 \times 3 \times 1 \times 2} = \sqrt{24} = 2\sqrt{6}$
余弦定理も三角比の相互関係も一切記述することなく、暗算に近い感覚で3行で正解に到達しました。
【忘れにくい覚え方のコツ】
ヘロンの公式の形($s$ から各辺を引く)をベースにし、「先頭の単独の $s$ が、4つ目の引き算 $(s-d)$ に変わっただけ」と覚えるのが最も確実です。「4辺の和の半分を出して、各辺を引いた4つの数値を掛けてルート」とリズムで頭に入れておきましょう。