長年にわたり教鞭を執った武蔵野美術大学の教壇において、長谷川は学生たちに「図面を引く前に、まず空間を歩き、手で触れ、自らの皮膚で感じ取れ」と説き続けた。講義室は常に緊張感と知的な熱気に満ちていたという。
彼が育てたのは、単に流行の建物を設計する技術者ではない。社会の構造を批判的に捉え、時代が求める倫理と表現のあり方を自問自答する真の表現者たちだった。建築学科のみならずデザインや美術を学ぶ多くの若者が、彼の身体論的な批評精神から決定的な影響を受け、現在もクリエイティブの最前線で独自の表現を切り拓いている。