女優としての確固たる地位を築きながらも、2009年に歌舞伎俳優の中村勘九郎と結婚したことは、彼女の人生における大きな分岐点となった。伝統芸能の第一線を走る大幹部の家を支える「梨園の妻」としての責務は、並大抵のものではない。
歌舞伎の興行を支え、夫と子どもたちの成長を裏で支え続ける日々。そこには、かつて銀幕の主役として脚光を浴びていた女優としての自分と、伝統の継承に尽力する裏方としての自分との間で繰り広げられた、知られざる葛藤と深い覚悟があった。
しかし、二人が築き上げた家族の絆は極めて強い。中村勘九郎が革新的な舞台に挑み続ける背景には、常に彼女の深い理解と、女優経験に裏打ちされた鋭いアドバイスが存在する。ただ従うのではなく、互いの芸術性を尊重し合う対等なパートナーシップこそが、中村家を支える最大の原動力となっている。