かつては「キャリアを変えるとメールアドレスが変わるから乗り換えられない」という、いわゆる「キャリアの縛り」の象徴だった。しかし、総務省の主導で始まった「キャリアメール持ち運びサービス」が完全に定着したことで、その障壁は消滅した。月額330円前後を支払いさえすれば、ドコモからpovoに換えようが、ソフトバンクから日本通信に換えようが、古いアドレスをそのまま維持できる。
この制度は、ユーザーの流動性を高めると同時に、キャリアメールの寿命を劇的に延ばす結果となった。長年使い古したアドレスには、無数のサービスのアカウント情報が紐づいている。それらを一つずつ変更する手間を考えれば、毎月缶コーヒー2本分の代金を支払ってアドレスを維持する方が合理的だと判断する人が多いのは当然の帰結かもしれない。