1970年代後半、ティーンエイジャーの間でひとつの奇妙な噂が爆発的に広まった。ジーン・シモンズは自分の舌を長くするために、外科手術で「牛の舌」を移植したという説だ。あまりにも突飛な話だが、当時は本気で信じる者が後を絶たなかった。ネットが存在しない時代、噂話は口コミだけで世界中に拡散したのである。
結論から言えば、この整形噂は完全なデマである。シモンズ本人が自伝や数々のインタビューで明言している通り、彼の舌は100%天然の肉体美に過ぎない。幼少期、自分が他の子どもたちよりも明らかに長い舌を持っていることに気づき、鏡の前で筋肉を動かす練習を重ねたという。医学的にも人間の体に動物の組織を縫い付けるような移植は当時不可能であり、彼の舌は天から授かった稀有な身体的特徴だったのだ。