小泉家における「母の話題」は長らくタブーとされてきた。父・小泉純一郎氏は、政治家としての冷徹なまでの決断力をもって家庭内の線引きを行い、息子たちに政治の道や社会での自立を厳しく叩き込んだ。兄である俳優の小泉孝太郎氏もまた、芸能界という光の当たる場所で生きながら、家族のプライベートについては沈黙を守り続けてきた。
家庭内で実母の話題が解禁されるまでには、途方もない年月が必要だった。進次郎氏が政治家として自由民主党内で頭角を現し、国民的な人気を獲得していく中でも、血縁の陰影は静かに寄り添っていた。一族の看板を背負う重圧と、断ち切られた血縁への思い。その矛盾を抱えながら生きること自体が、小泉家の人々に共通する精神的背景となっている。