なぜ恐怖で動けない?「足がすくむ」の本当の意味と心理メカニズムを徹底解説

なぜ恐怖で動けない?「足がすくむ」の本当の意味と心理メカニズムを徹底解説

なぜ恐怖で動けない?「足がすくむ」の本当の意味と心理メカニズムを徹底解説について見逃せない ポイントを分かりやすく解説いたします。

生物の進化史において、この反応は決して無駄なバグではない。19世紀の自然科学者チャールズ・ダーウィンは、著書『人間と動物の感情表現』の中で、天敵に見つかった際に動物が体を静止させる行動について触れ、それが捕食者の動体視力を回避するための生存戦略であると見抜いていた。

かつて人類の祖先が猛獣と遭遇した際、無暗に逃げ惑うことはかえって襲撃を誘発するリスクが高かった。静止し、呼吸を殺し、風景に溶け込むこと――これこそが命を繋ぐための最良の手段だったのである。現代心理学の基礎を築いたジグムント・フロイトもまた、人間が抑圧された恐怖や無意識の不安に晒された際、身体症状として運動機能が一時的に麻痺する現象に着目していた。

生物学において広く知られる闘争・逃走反応(Fight or Flight)に、近年の研究では「凍りつき(Freeze)」を加えた「3つのF」として捉えるのが一般的となっている。危険に直面した時、戦うか、逃げるか、あるいは固まるか。足がすくむという現象は、人類が数百万年かけて継承してきた生存のための本能プログラムそのものなのだ。

木村 陽翔
著者

木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。