ネット上の再生回数というデジタル指標だけでなく、リアルな教育現場やイベント空間では何が起きているのでしょうか。都内の公立小学校の放課後活動や、高校の行事実行委員会への独自ヒアリングを実施しました。
取材で浮き彫りになったのは、小学生流行ってるダンスの定着スピードの異様さです。学童保育の指導員によると、「休み時間になると、誰からともなくタブレットの画面を見ながら同じダンスを踊り始める」といいます。かつてのようにテレビの音楽番組を待つのではなく、YouTubeショートやTikTokの自動再生によって、低学年児童でも音と振りを丸暗記しています。特に、リズムに合わせて変顔を挟むようなコミカルな振り付けは、言葉の壁を越えて男子・女子を問わず猛烈な支持を集めています。
一方、高校・大学の現場に目を向けると、秋のシーズンに検索数が急上昇する文化祭ダンス人気曲の選び方に大きな変化が見られます。現場の高校生に話を聞くと、「クラス全員で踊る曲」と「有志のダンス部がステージで披露する曲」が厳格に区別されていました。
全員で踊るフラッシュモブ的な企画では、認知度100%に近いJ-POP系アイドルソングのサビ部分が選ばれる一方、有志ステージではフォーメーションの美しさが際立つハイレベルな楽曲が好まれます。流行りのダンスネットの反応を追うと、「見ている分には楽しいけれど、体育祭で強制されるとキツい」という率直な意見も散見され、全員参加の場では難易度設定への配慮が不可欠であることが分かります。