デザイン現場において、無料のイラスト素材を利用した際に生じるトラブルについて、Web制作会社および現場ディレクターへの聞き取り取材を行いました。そこから見えてきたのは、仕様確認の甘さに起因する3つの典型的な失敗パターンです。
第1の失敗は、「背景が透明になっていない(透過PNGではない)問題」です。初心者が検索で見つけたJPEG画像をそのまま貼り付けた結果、背景に白い四角が残ってしまい、レイアウトの質を著しく落とすケースが頻発しています。透過処理が施されたPNG形式、あるいは拡大しても劣化しないSVG/AI形式の素材を最初から選定することが鉄則です。
第2の失敗は、「印刷時の解像度不足」です。WEB用(72dpi)で配布されている軽量画像をポスターやA4チラシなどの印刷物(350dpi推奨)に流用した結果、印刷したカニの輪郭がボケボケになって刷り直しになる事故は後を絶ちません。
第3の失敗は、「AI生成素材の指や足の本数破綻」です。2025年以降、無料素材サイトにもAI生成イラストが大量に流入していますが、カニの脚が左右で非対称だったり、ハサミの形状が生物学的に不自然だったりする素材が散見されます。生物モチーフのイラストを使用する際は、公開前に「脚が左右合計で正しいバランスになっているか」を人間の目で最終チェックする工程が欠かせません。