なぜ吉野家の鰻はここまで本格的なのか。その秘密は、徹底管理された専用工場での焼き工程にある。一般的なチェーン店が蒸し工程を重視するあまり身が崩れがちになるのに対し、吉野家ではタレをつけながらじっくりと焼き上げる「四段焼き」のプロセスを採用している。
蒸しを入れて余分な脂を落としつつ、香ばしい白焼きの後に自社特製の秘伝タレを何度もくぐらせる。このタレがまた秀逸だ。吉野家特有の牛丼のタレ開発で培われた醤油のコクとみりんのまろやかな甘みが、ウナギ本来の旨味を極限まで引き立てる。一口噛めば皮目はパリッと香ばしく、中は驚くほどふっくら。職人の手仕事に迫る熱量がそこには注入されている。