鉄道事業者が最も懸念しているのは、マナー違反を超えた物理的な事故リスクだ。走行中の電車が急停車した場合、固定されていない簡易椅子に座っている乗客は激しく吹き飛ばされる恐れがある。転倒による本人自身の怪我はもちろんのこと、周囲の立ち客を巻き込んだ二次被害の発生が強く懸念される。
「公共交通業界」の安全管理担当者は、車内での不意の動揺に対して踏ん張りがきかない姿勢の危険性を指摘する。火災や脱線といった緊急事態において、床に置かれた椅子や座り込んだ人間が逃げ惑う人々の足もとをすくい、将棋倒しのような二次災害を引き起こす引き金にもなりかねない。