時計の針を10年ほど巻き戻してみよう。二人の交際が初めて報じられた際、世間の反応は決して祝福ばかりではなかった。連日のようにワイドショーや週刊誌が二人の動向を追い、「成績不振の原因」「コート外での派手な行動」といった過剰な偏見と批判が彼女へと集中した。当時の過熱したバッシングは、一人の若い女性が背負うにはあまりにも過酷なものだった。
だが、世間の喧騒とは裏腹に、二人の信頼関係が揺らぐことはなかった。どれほど批判に晒されようとも、彼女は決して表舞台で言い訳をせず、静かに錦織のサポートに徹した。外からの雑音を遮断し、お互いだけを信じ抜いた期間があったからこそ、二人の絆は誰にも引き裂けない強固なものへと鍛え上げられていったのだ。