虫刺されが2つ並んだ画像を見て不安になっていませんか?「一体なぜ2箇所も並んでいるのか」「家の中に危険な害虫が潜んでいるのではないか」と疑心暗鬼になるのも無理はありません。皮膚上に赤い斑点が2箇所並ぶ理由には、害虫の生態に基づく明確なメカニズムが存在します。
代表的な理由は以下の3パターンに大別されます。
1つ目は、トコジラミ(南京虫)による吸血行動の特性です。トコジラミは血管を探り当てながら吸血しますが、人の寝返りや服の擦れなどで吸血を中断されると、わずかに数ミリから数センチ移動して再び針を刺します。欧米ではこれを親しみを込めてではなく皮肉を込めて「朝食・昼食・夕食(Breakfast, Lunch, and Dinner)」パターンと呼び、2〜3箇所が一直線あるいは三角形に並んで赤く腫れ上がる典型例として知られています。
2つ目は、クモによる咬傷(噛み跡)です。日本国内の家屋周辺にも生息するカバキコマチグモなどのクモ類は、2本の鋭い鋏角(きょうかく:毒牙)を持っています。皮膚を挟み込むように噛むため、約1〜5ミリほどの間隔で小さな赤い刺入点が2つ対になって残るのが構造上の特徴です。
3つ目は、ツメダニやイエダニ、ノミによる連続刺咬です。これらは吸血や体液摂取に適した場所を探して徘徊する過程で、近接した皮膚を複数回刺す習性があります。このように、「2箇所並んでいる」という視覚的特徴だけでも、原因となる生物の口器の構造や行動習性の違いが色濃く反映されているのです。