ネット検索を行っていると、時に「大森南朋 父親 逮捕歴」といった不穏な検索キーワードを目にして驚くユーザーが少なくありません。しかし、結論から申し上げれば、麿赤兒にも大森南朋にも実際の犯罪による逮捕歴などは一切存在しません。
では、なぜこのような不穏な噂がまことしやかに囁かれるようになったのでしょうか。報道資料や当時のサブカルチャー史を照らし合わせると、そこにはアングラ芸術に対する誤解とネット上の情報拡散の歪みが存在します。
1960年代から1970年代にかけて、麿赤兒が所属していた状況劇場の「紅テント」公演や、大駱駝艦の街頭パフォーマンスは、当時の道路交通法や屋外広告条例の境界線を攻める極めて過激なものでした。白塗りの全裸に近い姿で踊る野外ゲリラ公演などは、しばしば警察官が駆けつける騒動に発展し、「警察沙汰」「演劇弾圧」として当時の週刊誌を賑わせました。また、映画やドラマの中で麿赤兒が凶悪なヤクザの組長や怪しげなカルト宗教の教祖といった役柄を圧倒的なリアリティで演じ続けてきたことも影響しています。
これら過去の「前衛芸術に伴う警察との衝突エピソード」や「劇中での犯罪者役の強烈なイメージ」が、ネット掲示板やまとめサイトの文脈でセンセーショナルに切り取られ、いつの間にか「逮捕歴があるのではないか」という根も葉もないデマへと変形してしまったのが真相です。客観的な公的記録を調査しても、前科や逮捕の事実は完全に否定されます。