「U字の水槽 なんて言ってる」「U字の水槽 理由」と検索を重ねる読者が突き当たるもう一つの謎は、なぜこれほど具体的かつ奇妙な言葉が生まれたのかという点です。実態を調査すると、このフレーズの真の震源地は、2009年10月から2010年3月にかけてテレビ朝日系列で放送されていた関ジャニ∞(現SUPER EIGHT)の冠深夜番組『関パニ』であることが判明します。
番組内の名物企画「絵描き歌伝えまSHOW」において、メンバーの丸山隆平氏が即興で生み出した絵描き歌の歌い出しこそが、「丸みを帯びたU字の水槽」でした。この企画は、出題者が即興で絵描き歌を歌い、次のメンバーがその歌だけを頼りに絵を描いて正解をリレーしていくというシンプルなゲームです。しかし、丸山氏の放った言葉は、通常の絵描き歌の常識を根底から覆すものでした。
公式記録やファンのアーカイブによって確認できる、その全歌詞は以下の通りです。
「丸みを帯びたU字の水槽/丸みのMでふたをした/底にたまった小さな山/てーん、てーん、てんてんてんてん」
この歌を聴かされたメンバーたちは激しく困惑し、スタジオは静寂と爆笑に包まれました。「U字の水槽」の上に「丸みのM」を被せ、底に小さな山を描き、謎の点を打つ。誰もが抽象画のような奇妙な図形を描く中、発表された驚愕の正解は「シャケ(鮭)」でした。幾何学的なパーツの組み合わせから強引に魚のシャケを導き出す狂気的な発想の飛躍こそが、視聴者の脳裏に強烈なインパクトを焼き付けたのです。
このあまりに不可解な構成が、後にネット上で「元の英語歌詞を無理やり日本語に翻訳したのではないか」「プログレッシブ・ロックの抽象的な歌詞のメタファーではないか」といった知的な深読みを生み、結果として「洋楽の元ネタがある」という誤解を増幅させる決定打となりました。