ネット上の掲示板や知恵袋などで散見される言説の一つに、「渋谷のような地価の高い都心で家具を買うと、場所代が上乗せされて郊外より割高になるのではないか」という懸念があります。しかし、家具流通の構造分析を進めると、この認識は明確な誤りであることが分かります。
全国展開する量販店や大手ブランドにおいて、地域ごとの店舗間価格格差は基本的に存在しません。むしろ渋谷のような最激戦区では、徒歩数分圏内に競合他社がひしめき合っているため、ポイント還元キャンペーンや限定セット販売、送料無料フェアなどの販促施策が頻繁に打ち出されています。同一商品の購入であれば、郊外店よりも有利な条件で調達できる機会が少なくありません。
むしろ真に警戒すべき盲点は、都心型賃貸特有の「搬入動線の壁」です。渋谷近郊のワンルームやコンパクトマンションは、エレベーターの奥行きが浅かったり、共用階段の踊り場が狭小であったりするケースが多発します。「店舗ではコンパクトに見えたソファが、玄関ドアを通過できずに持ち帰りキャンセルになった」というトラブルは後を絶ちません。購入前には必ず、設置場所の寸法だけでなく、以下の3箇所をミリ単位で計測しておく必要があります。
- エレベーターの入口幅・高さ・内部の奥行き(対角線の長さ)
- 階段の幅および踊り場の天井高(手すりの出っ張りを差し引いた有効幅)
- 玄関ドアの開口幅、廊下のクランク(曲がり角)の有効寸法