パラディ島南端の壁が破られたあの日、エレンの目前で母カルラを貪り喰らった巨人。その不気味な薄笑いを浮かべた容貌は、読者や視聴者の心に深いトラウマを刻み込んだ。なぜダイナは、真っ直ぐにグリシャの家を目指し、カルラを手にかけたのか。
最期の瞬間、彼女がグリシャに残した「どんな姿になっても、あなたを探し出す」という言葉。これが単なる感情の吐露ではなく、無垢の巨人となってもなお消えなかった強烈な残滓であったという考察は、今なおファンの間で語り継がれている。王家の血を持つ巨人は本能的に特定の行動を取るのか、あるいは愛の執念が方向を決定づけたのか。意志を持たぬ無垢の巨人が引き起こしたこの悲劇こそが、エレンの「駆逐してやる」という根源的な動機を生み出すこととなった。