近年のメガスポーツイベントにおいて、最も視聴者の混乱を招いているのが「どこで試合が見られるのか」というメディアプラットフォーム問題です。カタールW杯での全試合無料生中継の記憶が残る一方で、スポーツビジネスの現場では放映権料のインフレが一段と加速。今回の北中米大会では、地上波テレビ中継と有料・無料ネット配信の役割分担が一段とシビアに線引きされています。
大手広告代理店幹部や民放キー局編成担当者の証言を総合すると、地上波各局は「巨額の放映権料負担」と「平日の早朝・午前帯という視聴率獲得の難しさ」の間で極めてシビアな選択を迫られました。その結果、日本代表戦についてはNHKと民放各局(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、フジテレビ等)による厳選された地上波生中継が維持される一方、グループステージの全試合や海外強豪同士の注目カードを網羅するには、動画配信プラットフォームの活用が前提となっています。
ワールドカップ日本戦無料配信に関しては、「ネットならどこでもタダで見られる」という誤解が一部に蔓延しています。実際には、民放地上波系列が中継するカードに紐づく同時配信や、各プラットフォームが実施する期間限定の施策を除き、全104試合におよぶ大会全体の視聴には計画的なメディア選択が求められます。