心理学におけるシェイピング(Shaping)は、日本語で「逐次接近法(ちくじせっきんほう)」や「漸次接近法」と呼ばれます。行動分析学の創始者であるアメリカの心理学者B.F.スキナー(Burrhus Frederic Skinner)が、1930年代から50年代にかけて体系化した「オペラント条件づけ」の応用技法です。
オペラント条件づけの基本原理は、「個体が自発した行動の直後に好ましい結果が生じると、その行動の発生頻度が増加する」というものです。このメカニズムを行動分析学では「正の強化(Positive Reinforcement)」と呼び、行動を増やすきっかけとなる刺激を「強化子(リインフォーサー)」と定義します。
しかし、対象者が「一度も行ったことがない行動」に対しては、そもそも強化子を与えるタイミングが存在しません。そこでスキナーは、目標とする最終行動そのものではなく、「目標にわずかでも近づく似た行動」をまず見つけて強化し、段階的に基準を切り上げていくことで、最終的な目標行動を彫刻のように削り出す(Shapeする)手法を確立しました。