大河ドラマ『軍師官兵衛』で主役を務めた岡田准一をはじめ、黒田官兵衛キャスト陣の現在は目覚ましい進化を遂げています。当時33歳で主演の重責を担った岡田准一は、アイドルグループV6の活動終了および所属事務所からの独立を経て、個人事務所「AISTON」を設立。自らアクションプランナーや武術家(ジークンドー、USA修斗インストラクター認定)として、ハリウッド級の映像制作を牽引する唯一無二の存在となりました。当時のメイキング特番や雑誌インタビューで本人が語っていた「官兵衛の足を引きずる後遺症や、皮膚病による頭の傷跡をリアルのまま隠さず演じたい」という泥臭いリアリズムへの執念は、その後の映画『ザ・ファブル』や『ヘルドッグス』、そして現在手がける国際共同製作アクション作品の礎となっています。
官兵衛の最愛の正室・光(てる)役を気品高く演じた中谷美紀は、オーストリア・ウィーンと日本を行き来する国際的なデュアルライフを送りながら、舞台や映像で圧倒的な品格を放ち続けています。乱世において側室を持たず一途に妻を愛し続けた官兵衛の精神的支柱として、中谷美紀が宿した凛とした佇まいは、現代の女性視聴者からも理想のパートナーシップとして羨望を集めました。
そして、父・官兵衛との葛藤に苦しみながら勇猛な武将へと成長していく嫡男・黒田長政役を演じた松坂桃李。放送当時は20代半ばの若手有望株でしたが、その後『孤狼の血』シリーズなどで数々の最優秀主演男優賞を総なめにし、名実ともに日本映画界の主柱へと上り詰めました。「偉大すぎる父へのコンプレックス」を生々しく表現した長政役の経験が、多面的な内面を抱える表現者としての覚醒をもたらしたと評論筋からも高く評価されています。