フリマアプリの普及により、私たちは指先一つで世界中の不用品を売り買いできるようになった。しかし、アルゴリズムによって最適化されたおすすめ商品ばかりが表示される画面には、偶然の出会いがない。自分が探していなかったものに一目惚れする、あの感覚だ。
背表紙の並びを眺めているうちに、ふと目に入った一冊の本。ジャケットのデザインに惹かれて思わず手に取った古いCD。こうした「セレンディピティ(偶然の幸運)」は、実店舗の棚の間を歩き回ることでしか得られない。効率化され尽くした現代だからこそ、無駄の中にこそある豊かさを人々は求めている。