2006年、生放送のスタジオに走った戦慄を覚えている人は多いだろう。可愛らしいマスコットを描くはずが、画面に現れたのは、まるで異次元から召喚されたかのような「何か」だった。共演していた「うたのおにいさん」こと今井ゆうぞうが、必死に笑いをこらえながら震えていた姿は、今も伝説として語り継がれている。
しかし、2026年の今、この現象を単なる「放送事故」として笑い飛ばす空気は薄れつつある。東京・六本木のモダンアートギャラリーでキュレーターを務める人物はこう語る。「彼女の作品には、既存の絵画的ルールを完全に無視した『生の表現』がある。それは、ピカソやジャン=ミシェル・バスキアが晩年に追い求めた、子どものような純粋無垢な視線そのものだ」と。笑いから畏怖へ。20年の歳月は、彼女の表現を「芸術」へと昇華させたのだ。