スクリーンで唯一無二の存在感を放つ大森南朋のルーツを探る上で、避けて通れないのが母親の素顔です。ネット上では「母親もかつてアングラ劇団の女優だったのではないか」「芸術関係者だったのか」といった憶測が飛び交っていますが、取材記録や関係者の証言によると、母は芸能活動とは無縁の一般女性です。
一般の方であるため、公の場に顔写真や本名が大々的に公開された事実はありません。過去にテレビのトーク番組などで幼少期の家族アルバムが紹介された際、若き日の母の姿が映し出された程度ですが、関係者は「非常に芯が強く、飾り気のない凛とした佇まいの女性」と口を揃えます。破天荒な芸術家たちが集う1970年代の新宿界隈において、表現者としての麿赤兒を愛し、若き日の苦楽を共にしたパートナーでした。
派手な芸能界の表舞台に立つ夫を支えつつも、自身は堅実に日常を守り抜いた市井の女性であり、その地に足のついた価値観こそが、のちに大森南朋が見せる「人間味あふれるリアルな演技」の土壌になったと指摘されています。