高知・竹林寺が人々を魅了する真相とは?五重塔と名勝庭園の全貌

高知・竹林寺が人々を魅了する真相とは?五重塔と名勝庭園の全貌

高知・竹林寺が人々を魅了する真相とは?五重塔と名勝庭園の全貌についての疑問解決ガイドをご紹介します。

境内に足を踏み入れた際、まず目を奪われるのが朱色が鮮やかな五重塔です。高さ約31.2メートルを誇るこの塔は、高知県内唯一の木造五重塔であり、竹林寺の象徴的な景観を形作っています。しかし、この優美な塔が建立された背景には、過酷な自然災害と復興への執念が刻まれています。

竹林寺の記録によると、かつてここには弘法大師の建立と伝えられる三重塔が存在していました。ところが明治32年(1899年)の猛烈な台風により無惨にも倒壊。以来、塔のない時代がおよそ80年間続きました。現在の五重塔は、歴代住職と檀信徒らの悲願が実を結び、昭和55年(1980年)に鎌倉時代初期の様式美を忠実に再現して再建されたものです。総檜造りの重厚な組み物と反りの美しい軒先は、失われた歴史を取り戻そうとした先人たちの情熱の結晶であり、その由来を知ることで眺めの深みが一段と増します。

もう一つの白眉が、国の名勝に指定されている竹林寺の名勝庭園です。南北朝時代の高僧であり、京都の西芳寺(苔寺)や天龍寺の庭園を手掛けた稀代の作庭家・夢窓疎石(むそうそせき)が滞在中に作庭したと伝えられています。中国の五台山の風景を模したとされる庭は、北庭と西庭から構成され、池を配した築山に自然石を巧みに配した回遊式および鑑賞式庭園の傑作。新緑が眩しい初夏、静寂が際立つ雨の日の苔、そして11月中旬から12月上旬にかけて迎える紅葉の見頃には、燃えるようなモミジの赤と常緑樹の深い緑が水面に映り込み、息を呑むほどの静謐な美しさを現出させます。

吉田 誠
著者

吉田 誠

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。