スーパーやコンビニに並ぶ量産型パンの多くは、効率的な大量生産を実現するために人工的に純粋培養された「孤立イースト」と各種製パン改良剤に依存しています。これに対して、たべもんや味輝が創業以来守り続けているのは、日本古来の酒造り技術を応用した独自の米麹酵母(味輝酵母)による製パンです。
たべもんや味輝の原材料は、驚くほどシンプルに削ぎ落とされています。基本となる食パン類で用いられるのは、無農薬・減農薬の国産小麦、自社醸造の米麹と玄米から起こした天然酵母、伊豆大島産の天日塩、粗糖、そして水のみです。マーガリンやショートニングなどのトランス脂肪酸はもちろん、膨張剤、保存料、香料といった食品添加物は製造工程のどこにも介在しません。
特筆すべきは、発酵にかける圧倒的な時間です。一般的な製パンがイーストを用いてわずか2時間から3時間で焼き上げられるのに対し、味輝のパンは酵母と乳酸菌が共生する環境下で約16時間から24時間以上に及ぶ低温長時間発酵を経て作られます。この熟成プロセスの間に、米麹由来の酵素(プロテアーゼやアミラーゼ)が小麦タンパク質やデンプンをじっくりとアミノ酸や糖へと分解します。その結果、砂糖を過剰に足さずとも、噛みしめるほどに自然な甘みと深いコクが口いっぱいに広がるのです。