現在、背番号10を身にまとう堂安律と、かつてその番号でチームを牽引した南野拓実。2人の実力者が繰り広げるポジションと役割の争いは、かつてない緊張感を帯びている。両者がクラブで見せるスタッツと代表での起用傾向を比較すると、現代フットボールにおける10番像のリアルな輪郭が浮き彫りになる。
ブンデスリーガのフライブルクで主軸を張る堂安律は、デュエル勝率とプレッシング強度の両面で突出した数値を叩き出す。右サイドからのカットインだけでなく、ウイングバックやインサイドハーフとしてのタスクを完遂する無尽蔵のスタミナ。自ら「俺が10番だ」と公言して憚らない強靭なメンタリティは、歴代の系譜に新しい血を注ぎ込んだ。
対する南野拓実は、リーグ・アンのモナコで円熟味を増したセカンドトップとしての決定力を発揮する。ボックス内でのポジショニングの妙、前線からのファーストディフェンダーとしての鋭い出足。ゴール前での勝負強さは依然として代表屈指であり、指揮官にとっても外せない切り札であり続けている。