ウインドブレーカー選びにおいて最も頻発している悲劇は、「レインジャケットとの混同」です。ネット上の情報や一部の販売サイトでは、防風アウター全般が「雨も防げる万能ウェア」であるかのように語られるケースが後を絶ちません。
明確にしておくべきは、一般的なウインドブレーカーの多くは「撥水(水を弾く)」加工であって「完全防水(水圧をかけても水が通らない)」ではないという事実です。シームテープ(縫い目の防水圧着処理)が施されていない製品の場合、小雨程度なら問題なく弾きますが、30分以上の本降りに晒されれば縫い目から確実に浸水します。「防水透湿」をうたうシェルジャケットと、軽量性を追求した「防風ウインドブレーカー」は、根本的に開発目的が異なります。完全防水を求めると生地が硬くなり、重量と価格も跳ね上がるため、「風を防ぎつつ、多少の雨をしのぎ、軽快に動く」という本来の目的に立ち返ることが重要です。
また、薄手ウインドブレーカーをメンズが春夏秋の3シーズンで着回す際、生地の厚み(デニール数)を見落とす人が後を絶ちません。10〜20デニールの超軽量モデルは丸めると手のひらサイズになり持ち運びには最適ですが、バックパックを背負った摩擦で毛羽立ちやすいという弱点があります。一方、40〜70デニールの生地を採用したモデルは重量が200gを超えてくるものの、引き裂き強度が高く、普段着としてラフに扱ってもビクともしません。「軽さこそ正義」という思い込みを捨て、普段のライフスタイルと荷物の積載環境に合わせた選択が不可欠です。