SNSや動画プラットフォームでは、連日「#猫のいる暮らし」「#猫好きさんと繋がりたい」といったハッシュタグとともに無数のコンテンツが爆発的な拡散を記録しています。なぜ人々は、時にそっけなく、自分勝手にすら見える猫に対して「下僕」を自称してまで奉仕してしまうのでしょうか。
心理学における「間欠強化(Intermittent Reinforcement)」がその答えを明確に示しています。犬のように常に飼い主に従順で愛情をストレートに返してくれる存在とは異なり、猫の反応はきわめてランダムです。呼んでも耳だけ動かして無視したかと思えば、突然膝の上に乗ってきて喉を鳴らし、前足を交互に踏みしめる「フミフミ」や頭を擦り付ける「スリスリ」をして甘えてきます。
この「いつ報酬(愛情表現)が得られるか分からない」という不確実性が、人間の脳内でドーパミンを大量に放出させ、ギャンブルやソーシャルゲームのガチャと同じような強烈な中毒性と執着を生み出します。ネット上のコミュニティ調査でも、「普段ツンとしている猫が、落ち込んでいる時だけ静かに寄り添ってくれた瞬間に完全に心を奪われた」という体験談が圧倒的多数を占めています。気まぐれな仕草そのものが、人間の心理的依存を高める計算された装置として機能しているのです。