検索エンジンで松浦氏の名前を入力すると、関連ワードに「離婚」という不穏な単語が浮上します。しかし結論から申し上げれば、松浦弥太郎氏が離婚したという事実は一切存在しません。取材班が過去の公的記録や出版物、メディア出演時の発言を精査したところ、現在も妻との婚姻関係は平穏に継続しています。ではなぜ、火のないところに煙が立ったのでしょうか。背景には3つの決定的な理由が存在します。
第1の理由は、自著で語られる「徹底的に自律した生活様式」がもたらす読者の深読みです。松浦氏といえば、毎朝5時起き、アイロンがけの行き届いた清潔なシャツ、整然と磨かれた靴など、ストイックな規律を美徳としています。この極端なまでの「ていねいさ」を目にした一部の読者が、「これほど厳しいマイルールを持つ男性と一緒に暮らせる配偶者はいるのか」「息が詰まって妻が逃げ出したのではないか」と邪推したことが、ネット掲示板やSNS上で一人歩きしました。
第2に、夫婦間のプライバシーを公私混同せず徹底して守り抜く姿勢が挙げられます。松浦氏はエッセイの中で妻について触れる際も、本名や顔写真を一切公表せず、あくまで「日常の気づき」をもたらす対等なパートナーとして描きます。私生活の切り売りを好む一般的なタレント文化とは一線を画しているため、家庭の具体的なビジュアルが見えないことが「別居や離婚を隠しているのでは」という疑念にすり替わったのです。
第3は、『暮しの手帖』編集長退任(2015年)やクックパッドへの電撃移籍に伴う激変期の誤解です。50歳を迎えるタイミングで大きなキャリアチェンジを決断し、執筆や新規事業立ち上げで多忙を極めた時期、生活拠点を柔軟に使い分けるワークスタイルを実践していたことが、「家庭内別居」や「破局」と混同されて伝播した経緯があります。