インターネット上の掲示板やSNSでは、「公務員=すべてキャリアとノンキャリアに分かれている」という誤解が散見されます。実態を把握する上で押さえるべき2つのポイントを整理します。
1. 都道府県庁や市役所に法的なキャリア制度は存在しない
地方自治体の職員採用において、国家公務員のような法律上の「キャリア制度」は導入されていません。原則として全職員が横並びでスタートします。ただし、実質的な区分は存在します。
大卒程度(上級)、短大卒程度(中級)、高卒程度(初級)といった採用試験の区分により、初期の昇任スピードや幹部ポストへの登用率に傾斜がつけられている自治体が大半です。さらに、都道府県庁の中枢ポスト(副知事や主要部長など)には、総務省などの中央省庁から出向してきたキャリア官僚が就任する慣例があり、地方自治体の現場においても実質的な「キャリアとノンキャリアの格差」を実感する場面は少なくありません。
2. 「現場軽視のキャリア」は過去のドラマ的描写
テレビドラマ等で描かれる「現場を知らない傲慢なキャリア官僚と、苦悩する叩き上げノンキャリア」という対立構図は、現代の実務現場とは乖離しています。政策形成が高度化・複雑化した現在、現場の運用実態を無視した法案作成や通達は機能しません。キャリア組はノンキャリアの専門知識や捜査技能に敬意を払い、ノンキャリア側も国会対応や省庁間折衝を不眠不休でこなすキャリアの激務と調整能力を頼りにするという、高度な機能分担が成立しています。