進化の歴史を辿ると、犬の祖先であるオオカミや野生のイヌ科動物は、捕食した草食動物の胃内容物を通じて日常的に植物性物質を摂取していた。動物行動学の専門家は、特定の草が放つ香りや食感そのものを好む「嗜好行動」としての側面を指摘する。新芽のみずみずしい甘みや、噛んだときのシャキシャキとした刺激を純粋に楽しんでいる個体もいる。
一方で、強い退屈や不安、運動不足によるストレスから、食べ物以外の異物を衝動的に口にする「異嗜症(いししょう)」の兆候である場合も無視できない。留守番の時間が長かったり、飼い主とのコミュニケーション不足が続いたりすると、散歩中の草むしりが強迫的な自傷・代償行為へと発展するケースが臨床現場で報告されている。