姿勢の崩壊は、見た目の問題だけに留まらない。身体の深部で深刻なエラーを引き起こす。
人間工学(エルゴノミクス)の観点から身体を解析すると、肩が前に出る「巻き肩」の状態では、胸郭の拡張が約30%近く阻害されることが分かっている。胸郭が固まれば、肺が十分に膨らまない。呼吸は浅くなり、自律神経の乱れや集中力の低下へと直結する。
日本整形外科学会の知見や、医療従事者主導で進む巻き肩・胸郭出口症候群予防プロジェクトのレポートでも、上肢の痺れや慢性的な肩凝りの根底に胸郭出口の圧迫が指摘されている。物理的に胸部を開いてスペースを確保するアプローチは、デスクワーカーの健康寿命を左右する極めて合理的な一手と言える。