インターネットの掲示板や知恵袋などでは、「航空救難団のメディックは年収1,000万円を軽々超える」「特殊部隊だから特別給与体系がある」といった噂が散見されます。しかし、防衛省の給与法(防衛省の職員の給与等に関する法律)に基づき、その実態を精緻に検証すると、実態はやや異なります。
自衛官の基本給は「公安職俸給表」に準じた階級と号俸によって厳格に決まっており、救難員であっても基本給そのものが一般隊員の数倍に跳ね上がるわけではありません。ただし、救難員には以下のような各種の危険勤務手当が上乗せされます。
- 航空手当:搭乗員として飛行任務に従事する際、基本給の約数十パーセントが加算される手当。
- 落下傘降下手当:パラシュート降下訓練および実任務1回ごとに支給される特殊手当。
- 潜水手当:スクーバ潜水を実施した潜水時間や深度に応じて加算される手当。
- 災害派遣手当・夜間特殊業務手当:実際の過酷な災害出動時に支給。
これらの手当が積み重なる結果、30代中盤の曹クラス(2等空曹〜1等空曹)の実質的な年収水準はおよそ650万〜850万円前後に達します。幹部自衛官(3等空尉以上)として機長や編隊指揮を担う立場になれば850万〜1,000万円に届くケースもありますが、「命の危険度」と「24時間アラートによる待機拘束時間」を天秤にかけた場合、現場隊員が手にする対価は決して過大ではなく、むしろ献身的な精神力によって支えられているのが客観的な事実です。
ネット上の評判では「精神的にタフでなければ1週間で心が折れる」「基地内でも別格のエリートとして尊敬される」という肯定的な声が多い一方で、「当直待機の多さからプライベートの計画が立てにくい」「膝や腰の慢性的なスポーツ障害に悩まされる」といった、過酷な肉体酷使に伴うリアルな苦悩も現場関係者から囁かれています。