敬語の使い分けと並んで相談が多いのが、漢字表記を巡る論争です。「申し上げます」と「申しあげます」、一体どちらが正しいのでしょうか。
公用文作成のルール(公用文における漢字使用等について)を厳格に適用する場合、本動詞(実際に物を持ち上げるなど)は「上げる」と漢字表記し、補助動詞として他の動詞の下に付く場合はひらがなで「申しあげます」と表記するのが原則とされています。同様に「お願いいたします」も、本来の公用文基準では「いたします」がひらがな推奨です。
しかし、民間企業の一般的なビジネスメールにおいては、漢字の「申し上げます」が圧倒的なシェアを誇っており、漢字表記であっても減点されることはまずありません。むしろ重要なのは、1通のメールの中で「申し上げます」と「申しあげます」が混在する「表記ゆれ」を起こさないことです。
また、相手から「よろしくお願い申し上げます」と送られてきた際の返信マナーにも注意を払う必要があります。同じ言葉をオウム返しにするのではなく、次のように敬意と共感をプラスするのが大人の対応です。
- 「こちらこそ、何卒よろしくお願い申し上げます」(最も万能で相手の言葉を尊重する返し)
- 「ご丁寧なご連絡をいただき恐れ入ります。引き続きよろしくお願い申し上げます」(感謝の前置きを添える)
- 「微力ながら尽力いたしますので、今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます」(謙虚な姿勢をアピールする)