最上もがを語るうえで避けて通れないのが、2017年8月6日に突如として発表されたでんぱ組.incからの脱退劇です。当時、グループは日本武道館や幕張メッセでの巨大単独公演を成功させ、アイドルカルチャーの頂点に立っていました。その最中での脱退は、ファンに計り知れない衝撃を与えました。
脱退発表時、公式サイトで「心と身体のバランスが取れなくなり、でんぱ組.incとしての活動を続けることが困難になった」と綴られたように、彼女を苛んでいたのは極限の過密スケジュールと、幼少期からのトラウマや引きこもり経験に起因する深刻な精神疲労でした。後に彼女自身が公表した通り、重度のうつ病を患い、ステージ上で笑顔を維持することと内面の崩壊との激しい解離に苦しんでいたのです。
ネット上ではメンバー間の不仲説も囁かれましたが、根本的な問題は「集団活動の過度な重圧」と「自己肯定感の低さ」の衝突にありました。自分を押し殺して偶像を演じる限界を迎え、生き延びるための必然的な防衛措置がグループ脱退という決断でした。その後、病状を公表し、寛解と揺り戻しを繰り返しながらも自らの足で歩み直すプロセスは、同じくメンタル疾患に悩む多くの若者に勇気を与えることになりました。