「冷凍肉はしっかり解凍してから焼くべき」という従来の常識は、ささみに関しては逆効果になる場合があります。肉がパサつく最大の原因は、解凍時に細胞が破壊されて旨味成分を含んだ水分(ドリップ)が大量に流れ出てしまう現象にあります。特に電子レンジの解凍モードや室温放置で生じる温度ムラは、タンパク質の急激な凝固と水分蒸発を招く典型例です。
冷凍ささみを柔らかくする方法として最も理にかなっているのが、凍ったまま調味料や水分と一緒に加熱して蒸気で包み込むアプローチです。凍結状態から一気に蒸し焼きやスープ加熱を行うことで、表面のタンパク質が素早く固まり、内部の肉汁を外へ逃さない「ウォーターシールド効果」が働きます。
特に電子レンジ調理やフライパンでの酒蒸しでは、冷凍ささみ電子レンジ解凍なしの調理法が絶大な威力を発揮します。耐熱容器に凍ったささみを並べ、酒・少量の砂糖・ごま油を回しかけてふんわりラップをし、600Wで約3分〜3分30秒加熱するだけで、驚くほどふっくらとした仕上がりになります。砂糖の持つ高い保水性と、酒のアルコールによるマスキング効果・肉質軟化作用が同時に機能するためです。