山口智充のタレントとしての地盤を支えているのは、流行に左右されない圧倒的な「職人芸」です。一般的なものまねタレントが有名人のデフォルメや誇張を得意とするのに対し、山口の真骨頂は「日常に潜む音や情景の完全再現」にあります。
雨の日のワイパーの音、新幹線のアナウンスと走行音、バイクの排気音の変速、さらにはブルース・ブラザーズやスティーヴィー・ワンダーといった海外ミュージシャンの本格的な歌真似まで、そのレパートリーの幅広さと音響工学的な再現精度の高さはプロの音楽家からも絶賛されてきました。
この天性の音声表現力が遺憾なく発揮されているのが、ディズニー/ピクサーのアニメーション映画『カーズ』シリーズにおけるレッカー車の「メーター」役の日本語吹き替えです。陽気で少しドジだが誰よりも友情に厚いメーターというキャラクターに、山口の声は見事に生命を吹き込みました。映画関係者やファンからも「原語版の声を凌駕するハマり役」と評され、同シリーズの新作やスピンオフ、東京ディズニーリゾートのアトラクション音声などでも欠かせない存在となっています。