当時の音楽業界を知る関係者や長年のファンの間で、B.B.クィーンズは今なお特別な存在として語り継がれています。その理由は、彼らの音楽が内包していた「圧倒的なテクニックとユーモアの共存」にあります。
SNSや当時の音楽評を検証すると、「子供の頃は単なる楽しいアニメソングだと思っていたが、大人になってベースラインやドラムのグルーヴを聴いて驚愕した」「ファンクやR&Bとして極めて洗練されている」という声が驚くほど多く見られます。
実際、ボーカルの近藤房之助は当時、硬派なブルースコミュニティから「なぜあのようなふざけた歌を歌うのか」と批判的な視線を向けられることもありました。しかし近藤自身は当時のインタビューで、「どんなジャンルであれ、プロが本気でリズムとピッチを合わせて歌う面白さに変わりはない」という主旨の言葉を残しています。坪倉唯子もまた、スタジオで鍛え上げられた正確無比なピッチと豊かな倍音で、さくらももこ氏のナンセンスな詞世界に圧倒的な説得力を吹き込みました。
平成の幕開けとともに訪れた「ビーイング系ブーム」(B'z、ZARD、WANDS、大黒摩季など)の先陣を切ったのがB.B.クィーンズでした。職人肌のスタジオミュージシャンがフロントに出てヒットチャートを席巻するという現象は、日本のポップス制作の裏舞台を表舞台へと引きずり出し、音楽制作の奥深さを大衆に知らしめる契機となったのです。