「生活が苦しくなるなら、なぜ不動産屋はそんな高い部屋を契約させるのか?」と疑問に思う方も多いはずです。その背景には、管理会社や保証会社が設定している賃貸入居審査の通過基準と、入居者の実際の生活余力との間にある致命的な乖離があります。
一般的に、賃貸の入居審査では「月収(額面)の3分の1以下」がひとつの目安とされています。年収500万円の場合、単純計算で月収約41.6万円となるため、計算上は家賃約13.8万円の物件まで審査ラインをクリアできてしまいます。
信販系やLICC系(全国賃貸保証業協会)などの家賃保証会社が行う審査は、あくまで「過去に滞納履歴がないか」「現在の勤務先で安定して給与を得ているか」という機械的な信用チェックに過ぎません。保証会社や仲介業者の目的は「契約を成立させて手数料を得ること」および「家賃が回収不能にならない最低限の支払能力があるか」を確認することであり、契約者が貯金できるか、人間らしいゆとりある生活を送れるかまでは一切考慮してくれません。
「審査に通る家賃」と「破綻せず暮らせる適正家賃」はまったく別物です。仲介営業マンから「年収500万あればこの12万円の物件でも余裕で審査通りますよ!」と太鼓判を押されたとしても、それは単に「法律上・契約上の支払い能力がギリギリ認められた」だけに過ぎないという防衛意識を持つ必要があります。