日本の外食シーンにおいて、洋食メニューの定義としての「ミックスフライ」には、日本農林規格(JAS)や法律のような厳密なルールは存在しません。一般的には「エビ、魚介類、肉類、コロッケなどの異なる素材を使ったフライを1枚の皿に盛り合わせた料理」を総称してミックスフライと呼びます。
明治期から大正期にかけて西洋料理をベースに独自の進化を遂げた日本の洋食文化の中で、フライ技術はカツレツやエビフライとして個別に発展しました。その後、昭和の高度経済成長期にデパートの大食堂や街の洋食店が「あれもこれも一度に食べたい」という消費者の贅沢なニーズに応える形でメニュー化したのが、ミックスフライの盛り合わせの原点です。
単品のフライ料理との決定的なミックスフライの違いは、「異なる食感と旨味のグラデーションを1つの膳で楽しめるエンターテインメント性」にあります。サクサクの衣の中にプリッとしたエビ、ふんわり柔らかな魚肉、ジューシーな肉の旨味が同居する構造こそが、長年愛され続ける最大の理由です。