支笏湖を眼下に望む風不死岳(標高1,102メートル)は、険しい岩場と豊かな原生林が織りなす絶景で知られる。しかし、足元の草むらには不穏な気配が漂う。最新の現地情報によると、北尾根ルートの5合目から8合目付近、さらには樽前山への縦走路において、ヒグマの新鮮なフンや爪痕が目立つようになった。北海道警察へ寄せられた通報件数も過去数年の平均を大幅に上回り、ハイカーからの緊張した声が絶えない。
とりわけ注意すべきは、視界の悪くなる早朝や夕暮れ時だ。鬱蒼とした樹林帯では、10メートル先ですら巨体が背景に溶け込む。音もなく背後から接近するケースや、登山道上で突如鉢合わせする恐怖が現実のものとなっている。北海道警察は登山口での注意喚起ポスター設置を強化し、単独行の自粛や複数人での行動を強く呼びかけている。