あいみょんの歌詞が持つ普遍性と、尾崎世界観が描く特殊で偏執的な世界観。このふたつは、2020年代半ばを過ぎた現在のJ-POPシーンにおいて、リアリティのふたつの極点として機能している。部屋の片隅に転がる生活感や、誰にも言えない後ろ暗い欲望を、彼らは一切の飾りに頼らず歌詞に落とし込む。
聴き手は彼らの歌に触れるとき、自分でも気づいていなかった感情の傷口を優しく撫でられるような、あるいは突きつけられるような錯覚を覚える。この「生身の感情の共有」こそが、ストリーミング時代において彼らの楽曲が長期間にわたって再生され続ける最大の要因であることは間違いない。